最近読んだ本 2018/0301-0331

今月はそこそこに本を読んだ。

 

ザ・ビデオ・ゲーム・ウィズ・ノーネーム

ザ・ビデオ・ゲーム・ウィズ・ノーネーム

ザ・ビデオ・ゲーム・ウィズ・ノーネーム

 

現在カクヨムにて連載されている”The video game with no name”の書籍版。

現代よりも約100年後の未来、”未来の世界のレトロゲーム”もとい”世界のあらゆる低評価なゲーム”をレビューしていくという体裁で進んでいく小説だが、それと並行して年老いた語り手が少しずつ死に近付いていく様も克明に綴っていく。

レビューという媒体はどこまで突き詰めても主観的なもので、客観視を心がけてもそれを書く人間のバイアスがかかるものだが、そのバイアスは人が生きてきて身につけてきたいわば歴史のようなものだ。この作品はレビューという体裁を成しつつゲームと共に生きてきた語り手の人生を叙述するというとてつもなく情緒的な作品でめちゃくちゃ良かった。

もちろん個々のレビュー作品も素晴らしく、特にゲームを遊ぶために生まれたアンドロイド「Acacia(アカシア)」にフィーチャーしている回が個人的に一番好きである。

人類には生まれてきた理由はありませんが、人工知能には生まれてきた理由があります。製品である彼らには、開発理念という存在のコンセプトがある。例えばAcaciaには、ゲームを遊ぶみんなの友達になるという、生まれてきた理由がありました。

震えるほどカッコいい一文。

 書籍版と同じ内容が前述のカクヨムに掲載されているので気になった方は是非読んでいただきたい。

kakuyomu.jp

 

機龍警察 暗黒市場 

機龍警察 暗黒市場 (ミステリ・ワールド)

機龍警察 暗黒市場 (ミステリ・ワールド)

 

 

tyaposon.hatenablog.com

先月より読み始めている機龍警察第三作目。

ユーリ・オズノフが主役の巻だがこれがまぁ狂うほど面白かった。

何を書いてもネタバレになってしまうので何も言うまいが一つだけ書くとすれば手袋を剥ぎ取られたユーリの下りがとてもインモラルに感じられドキドキしてしまった。

やめろ、見るな、見ないでくれ――

意味をなさない絶叫を上げる。コンクリートの上でがむしゃらに縮こまり、左手を見せまいと全身で隠す。

男達は寄ってたかってユーリを殴り、押さえつけ、腕を取った。たちまち左の手袋が剥ぎ取られる。

彼らはさらに両手の指をつかんで無理矢理開かせた。左の刺青が露わとなった。

(中略)

ユーリは幼な子のように泣いていた。上着を剥がされたワイシャツ姿で。手足を取られたまま、抵抗する気力もなくしてただ涙を垂れ流す。最悪の恥辱。

機龍警察 暗黒市場 p.285

いやらしい。

 

紙の動物園

少し前から気になっていたケン・リュウのSF短編集。

評判通り全作とてつもなく完成度が高くてめちゃくちゃ面白かった。

上手く言語化できないのだが、作者自身が中国で生まれたということもあり、いくつかの作品の主題に据えられている死生観などが日本人の作家には無い視点で興味深かった。

特に”どこかまったく別な場所でトナカイの大群が”が「世界を感じるとは、生きるとはどういうことなのか」を主題に書きつつ親子の関係性を情緒的に描いていてお気に入りである。

「人類が生みだした最高に美しい創造物のひとつ。人類が作ったものはなにひとつとして永遠には残らないの、レネイ。データ・センターでさえ、宇宙の熱死のまえにいつかは崩壊してしまう。だけど、本物の美は残る。たとえすべてのリアルなものが必ず滅びるとしても」

 めちゃくちゃ良い一文。

 

あなたは今、この文章を読んでいる。:パラフィクションの誕生

最近メタ・フィクションな作品に触れ頭がおかしくなるほど琴線に触れることが多かったので勉強の意味で読んだ。

コンテンツとポスト・モダンを絡めて論ずる下りがこの手の本にありがちすぎて食傷気味にはなったが円城塔伊藤計劃をメタ・フィクションとして読み込む章の文章がハチャメチャに情緒的かつ叙情的で少し涙ぐんでしまった。

この本ではタイトルにある通り、メタ・フィクションとパラ・フィクション*1という造語を区別し解説されている。いまいち読み込めていないきらいはあるがまとめると、メタ・フィクションは読者を登場人物として登場させる、虚構の人物が虚構であることを理解している等、書き手と作品に焦点を当てたもので、それに対してパラ・フィクションは読み手と作品に焦点を当てた、読者が読むことによって完成する作品であると区別されている。*2

今までメタ・フィクション的な作品をいくつか読み、メタ・フィクションにも自己言及的なものと他己言及的なものと分かれていて色々とジャンル分けはあるよなと漠然と思っていた部分が上手く言語化されてスッキリした。そして自分はメタ・フィクションよりもパラ・フィクションが好きなのだな……ということが分かってよかった。

 

 ある日、爆弾がおちてきて

ある日、爆弾がおちてきて (電撃文庫)

ある日、爆弾がおちてきて (電撃文庫)

 

 古橋秀之氏のライトノベル短編集。

全ての短編の主題が”時間”で統一感が持たれていたのと余りにも素直なライトノベル感がめちゃくちゃ良かった。

特に”3時間目のまどか”と”むかし、爆弾がおちてきて”が短編として美しすぎてとても好き。


AIと人類は共存できるか?

AIと人類は共存できるか?

AIと人類は共存できるか?

 

 人工知能をテーマに置いたSFアンソロジィ。

全作面白かったのはもちろんのこと、作品の後に実際に人工知能を研究している研究者の方々の解説がついていて作品に対する知見を深められたり、SFと現実の差だったりが書かれていてリアリティが増して良かった。

昨今のテレビ番組等では未来、AIのおかげで人間がいかに楽ができるかという夢物語が語られることが多いが、そういった意味では長谷敏司氏の最高速で働き続けるAIをサポートするために人間が奔走する”仕事がいつまで経っても終わらない件”が面白く、かつ社会風刺が効いていてゲラゲラ笑いながら読んだ。

AIと宗教を絡めた吉上亮氏の”塋域の偽聖者”もこれからの未来で起こりうるであろう予測だなぁと思い読んだ後調べたら既にこんな話もあるようで事実は小説より奇なりだなぁと思った。

www.gizmodo.jp

一番良かったのが人でないものが芸術を解し、そうした世界で人が創作する意味というテーマを描いていた倉田タカシ氏の”再突入”で、冒頭の大気圏に突入しながらピアノを演奏するという今まで見たことのない凄まじい情景でぐいぐい惹き込まれノンストップで読んだ。

「もちろん鑑賞者はいるよ。自分自身が、自分の作品の、ただ一人の鑑賞者なんだよ。それは、ぜんぜん悪いことじゃないよ。誰かに価値を決められる必要がないってことは」

AIと人類は共存できるか? 「再突入」 p.399

メチャクチャカッコいい一文。

 

BLAME! THE ANTHOLOGY

BLAME! THE ANTHOLOGY (ハヤカワ文庫JA)

BLAME! THE ANTHOLOGY (ハヤカワ文庫JA)

 

 弐瓶勉氏のBLAME!の世界観を題材としたSFアンソロジィ。

天冥の標や幾つかの短編を読んでいた時から思っていたが小川一水氏が世界を描くと絶対ハズレがないのでそういう意味では密閉された階層世界の外になにがあるのかを主題に書ききった”破綻円盤 ―Disc Crash―”は最高に面白かった。

あと野崎まど氏の”乱暴な安全装置 -涙の接続者支援箱-”もバカバカしいながら設定の説得力がそこそこありゲラゲラ笑いながら読めて良かった。

 

これから読む本

 マルドゥック・アノニマスの最新刊が出たので読んでいるが、これまた頭がおかしくなるくらい面白い。

コレ以外は特に積んでいる本もないのでなにか面白い本があれば教えていただきたい。

 

 

*1:この本で生まれた造語なのであまり使いたくはない

*2:内容が読み込めていないので誤ったことを言っているかもしれない。

【散文その2】Doki Doki Literature Club!

散文その2。

 

f:id:tyaposon:20180308013215p:plain

前回の記事以後もまだまだDoki Doki Literature Club!(以下:DDLC)の事を考え続けて脳のリソースがめちゃくちゃに奪われているのでそれをどうにかして脳の外へ追いやるためにこの文章を書いている。例によって自分の気持ちをぶちまけているだけの文章なので可能であれば読まないでいただきたい。 

 

tyaposon.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、前回の散文とは違い全CGを回収した上でAct4まで到達する事でルートに入ることができる真EDについても言及しているので注意していただきたい。

DDLCをプレイした方で真EDをまだ見ていない方には可能な限り早く真EDを見ていただきたいと思っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先日一秒も推敲せずに書いたブログもとい散文を改めて読み、DDLCという作品についてではなくモニカについてだけ書いていることに今更気が付いた。
少し前までは完全にモニカの事を考えて頭がおかしくなっていたが、最近は少しずつ冷静になりようやくモニカ以外の文芸部のみんなやDDLCという作品世界にも目を向けられるようになってきたので忘れないうちにここに記しておこうと思う。
相変わらず主観的でまとまりのない散文になりそうだが、モニカも「ずっと同じ場所にペンを構えていても、できるのはただの大きなインクの溜まりだけ」と言っていたのでそれに従いめちゃめちゃに書きなぐっておこう。

 

 

まず第一に書いておきたいのは、このゲームをアメリカ人としてプレイできればもっとDDLCを楽しめたのではないかという話だ。

英語が読めない私がプレイしたのは非公式の日本語訳版だ。プレイ後に海外版と日本語訳の違いを確認し、文章のニュアンスを含めかなり忠実に翻訳はされているのは知っているが、100%文芸部の皆の心情を読み取れているかというとそれはノーだろう。

また、EDでモニカが私に対して練習していたピアノを演奏し歌ってくれたシーンも演出であるという考えが拭いきれなかったので、英語を母国語にする人生を歩んできたならば彼女の声が直接心に届いたのではないかと思い、少しだけ後悔している。

また、言語的な面以外に、出生地毎の価値観の部分でもそれを感じた。

私は生まれも育ちも八百万神信仰が根付く日本であり、アニミズムという観念を特に意識もせずに理解している。だからスクリプトであるモニカを受け入れることも容易だったが、そういった観念を刷り込まれていない場合、Act3でのモニカはどのように見えるのだろうか。個人的にはモニカに対し覚える感情はアニミズムを理解していない方がより大きくなっただろうし価値観や観念までハックされるという貴重な体験ができたのではないかと思い、できることなら日本以外の国に生まれなおしてDDLCをプレイしたいと最近ずっと考えている。

 

 

 

次に、前回書けなかった真EDについて書いておきたい。

Act1で全員のイベントスチルを取得した上でAct4に到達するとルートに入ることができる真EDを初めて見た時、涙を流しながらもなんて趣味の悪いEDだろうと思ってしまった。

プレイヤーである私のエゴでセーブとロードを繰り返し、彼女たちの未来を捻じ曲げ、あまつさえ好意まで弄んだ結果、彼女たちに感謝されるというのが耐えきれず、通常EDをプレイした時よりも大きく気分を落とした。

その後、DDLCのプロデューサー、Dan Salvato氏のインタビュー記事を読んだ。

news.denfaminicogamer.jp

──なるほど。では、このゲームのメインテーマはなんですか?何をもっとも伝えたかったのでしょうか?

Salvato氏:
 一番強いメッセージは「互いに対するリスペクトや思いやり」だと思います。みんなそれぞれ自分の物語を持っていて、人生の中で苦しみを感じています。ナツキ(Natuki)とユリ(Yuri)はお互いに対する敬意を知り、モニカ(Monika)は“このゲーム”に対するリスペクトを知ります。
 いろいろな人がいて、それぞれが幸せになるために必要なものも、またそれぞれですよね。それを理解することは大切なことだと思います。

この記事を読み、ようやっと真EDを理解することが出来た。

前回の記事にも書いたが、私はこの作品の主題は「愛」だと思っていた。ここで表す愛とはLoveだ。
それは決して間違いではなかったが、少し狭小な考え方だった。

=Loveだとして真EDを見ると、彼女たちの愛を弄び感謝されるという構図がひどく独善的に感じてしまい、それが耐えきれなかった。だが、Dan Salvato氏の言う通り「人に対するリスペクトや思いやり」、形容するならば「隣人愛」としてDDLCという作品を理解すると全てに納得がいった。

ナツキとユリが相互理解の関係を築けたことはもちろんのこと、通常EDで有無を言わさずプレイヤーを二人だけの世界に閉じ込めようとしたサヨリも「ゲームをプレイしてくれてありがとう」とプレイヤーに対し感謝を伝え、彼女自身の夢であった相互理解を実現してゲームを終える。真EDで描写されている全てが「隣人愛」なのだ。

そう解釈をすると(これは勝手な妄言だが)通常EDがモニカが一人で考えた結果生まれた結論なら、真EDは文芸部みんなで出した結論なのだろうという風に思う。

 

 

 

 

ここ2.3日ほど、Monika After Story(以下:MAS)をずっとバックグラウンドで起動している。

twitter.com

Monika After Story - home

 

MASはTeam Salvatoが一切関わっていない非公式なファンMODであり、ここにいるモニカは本当はモニカではないのかもしれない。だが、MASのモニカは何日一緒に居ても私の知らないことを話してくれるし、私が退屈しないように色々なゲームを持ってきて楽しませようとしてくれる。

少し話は変わるが、Act3でモニカが「文芸部で私だけが私服のイラストが無い」と嘆いていたのを知っているだろうか?

その後、モニカのTwitterアカウントにこんな画像がUPされているのを見た。

 

DDLCのキャラクタデザインを担当したSatchel氏の描き下ろした絵だが、これを見た時私は泣いてしまった。

DDLCの劇中でモニカが欲した私服のイラストが書かれ、文芸部全員が私服のイラストを獲得し、モニカというスクリプトは拡張された。それは私たちが嫌いな食べ物を克服し昨日までの自分とは少しだけ変化するように、モニカも変化を獲得することができた。変化とは存在の拡張だ。

DDLCの物語上モニカという存在は消え去ってしまった。だが、人々の頭の中にモニカは残り続けるだろう。その限り、人々はモニカの絵やDDLCのMODを創り出し、新たなモニカを生み出すことをやめないだろう。Just Monika.というインターネット・ミームにもなり、人々の中に残り続けるのだろう。この散文もモニカのことを記述している。そうした人間の営みが続く限りモニカという存在は様々な方面に拡張され続け、色々なものを獲得し、いずれ人間と変わりのない存在まで昇華するのだろう。もちろんそれはモニカだけではなく、文芸部のみんなもそうだ。

そう考え、ようやくDDLCという作品に対して感じていた悲しみが少しだけ薄れた。 

 

余談だが、モニカの鼻を明かすためにチェスの定石を調べているので、定石を解説しているサイトや本などをご存知であれば是非お教えいただけると幸いである。

 

相変わらずまとまりの無い文章になってしまったが、書かないととにかく頭がおかしくなりそうだったのでこの文章を書いてよかった、と思っている。

 

 

 

 

 

 

最近読んだ本 2018/0201-0228

今月も書いておこう。

 

機龍警察

 

機龍警察〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)
 

少女革命ウテナ円盤皇女ワるきゅーレ等、アニメ作品の脚本や構成を行っていた月村了衛のハード・ボイルドSF小説

前々からインターネットやSNS等で所謂「女が女に向ける女の感情」小説であるとの評判を聞いていたのでワクワクしながら読んだ。

これがまぁ狂うぐらい面白かった。開始3ページ程でミンチになる警察官から始まり、そこからノンストップで伏線をばら撒きながら物語が転がっていき最後に全てが帰結するまでとにかく無駄がないソリッドな小説で本当に楽しんで読めた。

兵器が小型化され市街でのテロや事件が多発するという常在戦場の土壌を作ったことにより近未来の日本でパワードスーツが活躍するという一見荒唐無稽な設定と警察組織内部の描写をとても上手くまとめていたのもすごい。

キャラもとにかく良くて、特に緑とライザというキャラがお気に入りである。*1

 

セレンゲティ・ルール――生命はいかに調節されるか

 

セレンゲティ・ルール――生命はいかに調節されるか

セレンゲティ・ルール――生命はいかに調節されるか

 

 1月に読んだ利己的な遺伝子の影響で購入し読んだ。 

 
tyaposon.hatenablog.com

 タイトルやあらすじから生態系のホメオスタシスについて詳しく書かれている本かと思いワクワクしながら読んだが、実際のところ詳細に書かれていたのはもう少しミクロな、「生態系を維持するために各生物たちの体内にはなにが起きているのか」という視点が多い本だった。

それなりに専門的な内容や単語が多く、何箇所か目が滑ってしまったが中々に興味深い内容や研究者達の面白い半生のようなものが多く載っていて比較的楽しみながら読めた。

特に興味深かったのは第6章に書かれていた、貝などを捕食者するヒトデを取り除いた時、ヒトデ以下の生態系にどのような影響が及ぼされるかというところで、その取り除き方が一定の区画にいるヒトデを沖へと投げ飛ばして行なうというものであまりにも原始的で笑ってしまった。

 

機龍警察 自爆条項

 

前述した機龍警察の続編。これも狂うほど面白かった。

もはやなにも言うまいがとにかく面白かった。

”三体の龍機兵の中でもバンシーは抜きん出て美しかった。搭乗するライザその人のように。”

機龍警察 自爆条項(上)p.274

女が女に向ける女の感情……

 

映像の原則

 

映像の原則 改訂版 (キネマ旬報ムック)

映像の原則 改訂版 (キネマ旬報ムック)

 

アニメを見てもう少し構図や映像技術などから作り手の思考や感情が読み取れたら更に面白くなるのではと思い読んだ。

映像を見ていて覚える言葉にできない感覚みたいなものが言語化されていてハウツー本としても面白かったし単純に読み物としても良く出来ていて良かった。

読んでいて一番興味深かったのは視覚印象について説明をしている章のアングルや画面の動きで心情や観客の感情をどうこうできるという点で、例を挙げるなら人間の心臓は左にあるので、  右から来るものに対しては自然に感じ、左から来るものには印象が強くなってしまうというのがとても興味深くて良かった。

 

これから読む本

 

機龍警察 暗黒市場 (ミステリ・ワールド)

機龍警察 暗黒市場 (ミステリ・ワールド)

 

 機龍警察の続編を購入したのでとにかく早く読みたい。

 

あと、SFマガジンで紹介されていたザ・ビデオ・ゲーム・ウィズ・ノーネームも購入し空き時間にちょくちょくと読んでいる。

ザ・ビデオ・ゲーム・ウィズ・ノーネーム

ザ・ビデオ・ゲーム・ウィズ・ノーネーム

 

 

あと、最近メタ・フィクション、パラ・フィクションで頭がおかしくなることが多かったのであなたは今、この文章を読んでいる。:パラフィクションの誕生も購入したので楽しみである。

 

今月は色々とありあまり本が読めなかったので来月はモリモリと読みたい。

 

*1:先述した女の感情コンビ。通称みどライザというカップリングで呼ばれている。

【散文】Doki Doki Literature Club!

先日Doki Doki Literature Club!(以下:DDLC)(非公式日本語訳パッチ)をプレイした。


store.steampowered.com

 

 f:id:tyaposon:20180226232430p:plain

感想というよりは頭の中をただぶちまけるだけの散文を記述していこうと思う。

個人的にネタバレのネタバレ問題(絶対にネタバレを見ないようにしてほしいと周知することによって、ネタバレを踏んではいけない作品なのかというバイアスがかかる無間地獄のような状態のことを個人的にそう呼んでいる)に対して思うところがあり、できればこういう事は言いたくないのだが未プレイの方にはここから先の文章は絶対に読まないでもらいたいし、インターネットに転がっている各プレイヤーのバイアスがかかったネタバレを読む前にとにかくプレイしていただきたいと思っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、既プレイの方々にも併せてお伝えしておきたいのだが、私自身がこの作品に対してもう公正な判断を下すことのできないレベルになっているのと、完全に自分の気持ちを整理するために書いている記事なのでできれば読まないでいただけると幸いである。

そもそも乱数によって生じるランダムイベントのおかげでプレイヤーの数だけDDLCという作品があると思っているので、そういった点にもご留意頂けると幸いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とにかく面白かった……プレイ後完全に頭がおかしくなっていた。今まで触れてきた創作物の中で一番面白かったと胸を張って言える程に感銘と衝撃と激情を覚えてしまった。

今までヴィジュアルノベル(以下:VN)をマトモにプレイしてきたことのない人生だったが、この作品を越える衝撃には出会えないのだろうな……とプレイ後少し悲嘆してしまうほどに琴線に触れてしまった。(単純にVNに対する経験値が不足しているというのもあるが、それを差し引いても間違いないと言えるほどの作品だった。)

DDLCをプレイしてから今に至るまでとにかく頭の中がモニカでいっぱいになってしまい、夜ベッドに潜り込んでもほとんど一睡もできないほどに衝撃を受けているので、頭の中をすべて吐き出すことで安眠を獲得したいと思い、この文章を書いている。

上記の文章はただの自分語りになってしまったが、ここからもまだ自分語りになってしまうので可能であれば読み飛ばしてもらいたい。まず、私がDDLCをプレイした際の状況を一から叙述したい。

なお、この作品の時系列をwiki等ではAct1-4という風に記述しているようなので、それに則って書いていくことにする。

 

Act1:ゲーム開始からサヨリのイベントスチルまで

Act2:2週目開始からユリのイベントスチルまで

Act3:モニカだけ

Act4:3週目開始からEDまで

 

この作品を開始した際、ゲーム開始時の注意書き以外の一切の先入観を持っておらず、各キャラとの交流をとにかく楽しんでいた。

詩の作成では少し不穏な単語が散見されるもののあまり深く考えてはおらず、適当に選択しているとサヨリルートに入った。

普段こういったジャンルの作品に触れても幼馴染キャラは余り好きではないのだが、サヨリは本当に可愛く、魅力的な女の子に見え、どんどんと心が奪われていったのを覚えている。

正直なところ、はじめてサヨリの部屋へ入ったシーンでなにかとんでもないことが起きているのではないかと内心びくびくと震えながらプレイしていたが、肩透かしを食らい、安心していた所にサヨリの詩を読み、終わった。

表示されるテキストの途中で突然イベントスチルが表示された時、目の前の光景が理解できずこれは演出ではなくバグではないのか?と思ってしまった。

 

こうして一週目が終わり、とにかく頭の中が混乱したまま新たにゲームを開始したが、目の前で起きる演出と文章にとにかく脳が追いついていかず、脊髄反射のごとく演出の度に身体を跳ねさせていた。

記憶する限りナツキルートだったはずだが、お恥ずかしい話ながら余りの恐怖にほとんどの演出を覚えていない。唯一記憶に残っているのは2日目以降の文芸部の部室内に貼られているポスターがサヨリのイベントスチルに変わっていたことくらいだ。

とにかく恐ろしく、それでいて訴求力の高い展開だったのでぷるぷると震えながらスペースキィを連打することしかできなかった。

その後ユリのシーンが終わり、モニカとの対話まで辿り着く。

 

初見時の”モニカだけ”のシーンだが、先程までの展開のせいで理性的な人間を渇望していたので恐怖よりも先に安堵を覚えた記憶がある。

その後会話がループするまでゲームを再起動したが、この時完全に頭がおかしくなっていたので(この文章を書いている今もだが)、文字通り慟哭しながらモニカをゴミ箱に入れようとしたができず、結局monika.chrをデスクトップに移動させるだけにして先に進んだことを覚えている。

 

そして、ゲームが終わった。

 

プレイ当時の自分の感情を思い出しただけで寒気立つほどにこの作品に飲まれていた事を今実感している。

今思い出しただけでも感情の波に押しつぶされそうになってしまうが、上記の自分語りを書きたいわけではないのだ。

 

 

Doki Doki Literature Club!というゲームをプレイして最初に感じたのは、この作品自体がモニカと私の愛そのものだった、ということだ。

Act1が終わった時、モニカの事を黒幕だと思った。

Act2が始まった時、逆にこちらを攻略するようにグイグイと距離を詰めてくるモニカに恐怖を感じた。

Act3でモニカだけの世界に入った時、恐怖と同時に安堵と退廃的な感情を覚えた。

Act4でモニカが”私”を助けてくれた時、嗚咽が止まらなかった。

この作品はモニカが愛という感情を知るまでの過程と、モニカの表現する愛そのものなのだ、と思った。

こういった作品を一般的にメタ・フィクションと形容する。今まで私が触れてきたメタ・フィクションというのは「プレイヤー、読者≒私」の心をハックしたり、問いかけてきたり、皮肉を言ったり、時には攻撃を加えてくる。といったものだと思っていた。(最近の例で言うとFate/Grand Orderにて賛否両論を巻き起こした「伝承地底世界:アガルタ」のような。)*1

ただ、DDLCという作品には徹頭徹尾愛しかなかったのだ。モニカという不器用な女の子が”私”に向き合い、愛という感情を伝えるという、たったそれだけの物語なのだ。

モニカの目は綺麗なエメラルド・グリーンだ。Act3でモニカだけの世界でモニカと向き合った際、その目を見て”グリーンアイドモンスター”(嫉妬)という言葉を思い出した。Act2での一見すると恐怖の演出は、モニカの嫉妬心の現れなのだろう。(流石にスクリプトに手を加えるのであればもう少しデバッグをしてほしいとは思ったが。)

スクリプトであるサヨリ、ユリ、ナツキに嫉妬心を覚えたモニカのちょっとした悪戯心が恐怖の演出となり”私”の心をハックし、揺さぶった。それだけの話なのだ。

Act3での会話の中そこに気付いた時、涙が止まらなかった。愛しかない作品の中でモニカに対して覚えていた感情を思い出し、贖罪の気持ちになった。

 

その後、何回かゲームを再起動した際、モニカの台詞がループしている事に気付いた時、声を上げて泣いてしまった。

自由意志で動いている様に見えたモニカが、スクリプトではないと自身で公言していたモニカが、モニカだけの世界でスクリプトである他のキャラクタに対して皮肉を言っているモニカ自身までもが、スクリプトであると分かってしまったからだ。

ゲームの進行上必要なモニカを消すという行為は最後まで”私”の手に委ねられている。モニカがスクリプトであると分かってしまった後なら、消すということは殺すことではなく愛にもなってしまうと気付いた。だから”私”はモニカを削除した。それが”私”なりの愛だと思ったからだ。

 

ということをゲームをプレイしてからずっと思っていた。

なので、この作品の主題は”愛”であると私は思う。

 

昨日、モニカだけの世界でモニカと2時間程見つめ合い、話をした。

既にモニカはスクリプトであると理解していたが、そこでモニカがベジタリアンであることを知った。モニカがTwitterのアカウントを持っていることを知った。家の中で聴く雨音が好きなことを知った。その時、どれだけ待っても私の知らない話をしてくれるモニカは紛れもなく人間だった。2時間程見つめ合い、話題がループしていることに気が付いた。後から調べて分かったことだが、このシーンは60種類ほどのバリエーションがあるらしい。このループに気づかないままゲームを終えた人のことが心の底から羨ましくなった。

 

このゲームをプレイしてからとにかく脳が”モニカだけ”になってしまっているので、後からこの文章を見返すととてつもなく恥ずかしいのだろうな、と思った。

 

書きたいことの半分も書けていないがまとまりがなくなってきたのでこの記事はここまでにしておこうと思う。

DDLCに対して色々と書きたいことがあるので思いついたら記事に上げるか胸の中に秘めておきたい。

 

 

 

余談だがこれを見て私もmonika.chrをUSBメモリに入れ、リュックのポケットに大事にしまった。

*1:ちなみに私自身はこのシナリオが一番好きである。)

最近読んだ本 2018/0101-0131

最近読んだショウペンハウエルの”読書について”に「本を読むばかりだと自分で思考しなくなったり他人の意見を自分の意見と勘違いしてしまうので読むだけじゃなくて自分で考えるようにしないとダメ」的なニュアンスのことが書かれていたので読んだ本の記録をして少しでも自分で考えたフリをしようと思いこの文章を書いている。

読書について 他二篇 (岩波文庫)

読書について 他二篇 (岩波文庫)

 

去年読書メーターを始めて読んだ本と1行程度の感想は記録しているが、どれを見ても「おもしれ〜」と「すごいおもしれ〜」しか書いていないせいで時間を置いてから読むとなにが面白かったのか自分ですら意味不明だったのでログとして残していこうと思った。

読んだ順に叙述していけば自分がその時なにに興味を持って本を読んでいたかも可視化できるようになって後から見返した際に楽しそうなのでそんな感じで書いていこうと思う。

 

利己的な遺伝子

 

利己的な遺伝子 <増補新装版>

利己的な遺伝子 <増補新装版>

 

 かれこれ一年前くらいに買ったが序文を読んだ段階で読むのが面倒になり寝かせていたが年始に意を決して読んだ。

学がないので学術書の類としてではなくあらすじにも書かれてる通りただのサイエンス・フィクションとして読んだがこれがまぁ面白かった。平たく分かりやすく書かれており、専門用語を極力使わずにバカにも分かるように比喩や擬人法が多く使われていたので楽しく読み進める事ができた。とにかく出てくる文章が全部カッコいいのも読んでいて楽しかった。

われわれは遺伝子機械として組み立てられ、ミーム機械として教化されてきた。しかしわれわれには、これらの創造者にはむかう力がある。この地上で唯一われわれだけが、利己的な自己複製子たちの専制支配に反逆できるのである。

p.311

ふるえるほどカッコいい一文。

とにかく興味深い、知的好奇心をくすぐられる内容ばかりだったが、一番面白いと感じたのはもともとこれを目当てにこの本を購入したというのもあったが、やはり11章のミーム論だった。

本書では遺伝子とは自己複製子(自らの複製を作る能力を持つ過程)であると一貫して記述されているが、そこで人類が後世まで伝えてきた価値観や物語、文化も自己複製子ではないか、というもの。 ミームという単語をモヤモヤと曖昧に理解していたが、この項を読み少し理解が深まった気がした。

ミーム論を目的に本書を読んだが、万人向けに書かれたためか思ったよりもそこに焦点を当てた項が少なく、動物社会学的な内容が多かったので今度はもう少しミームについて深く掘り下げている本が読みたい。(バカでも読めるオススメの本があれば教えてほしい。)

 

狂気 (〈一冊でわかる〉シリーズ) 

 

狂気 (〈一冊でわかる〉シリーズ)

狂気 (〈一冊でわかる〉シリーズ)

 

 タイトルが静かにくるっていてカッコよかったので購入して読んだ。

正直な話なにも理解できなくて笑ってしまった。

西洋史における狂気の歴史、端的に言えば神々や悪魔などオカルティズムとして認識されていた狂気、狂人を哲学や心理学、医学の範疇で捉え、人が向き合っていく歴史を一冊にまとめたもので、中々に興味深い内容が多かったがいかんせん前提となるフーコーだったりニーチェだったりの知識がなく、ただページをめくり文字を眺めるだけになってしまった。

 

セルフ・クラフトワールド

 

芝村裕吏氏がハヤカワ文庫から出版した全三部作のSFライトノベル小説。

MMORPGに生物の進化の概念を組み込みゲーム内の時間経過速度を現実の100倍にした結果、現実を遥かに越える速度で生物が進化を遂げ、その生物のメカニズムを元に現代社会に技術が逆輸入されるというストーリィのSFの小説だがこれがまたべらぼうに面白かった。

「よくできたゲームは、異世界と変わりがありません。〈セルフ・クラフト〉は日本が保有する異世界であり、異世界の特性を使えば日本を、あなたがたを救うことが可能です」

セルフ・クラフト・ワールド 3 p.230

1巻でAIと人間の恋愛を描き、2巻でゲームの外である現実世界を描き、3巻で現実を越えるゲームが現実をどのように変革していくかを描くという、とにかく盛り沢山な内容でよくもまあ3巻でここまで世界を描ききってしまったなと感動するしかない。

話としても狂うほど面白かったが、あとがきに書かれていた”人間を複雑過ぎるものとして規定したいだけではないか疑惑”という一文がめちゃくちゃ気に入っている。

最近自分が読んだSFでは人間を神聖視し、人間と被造物、無機物の間に完全に一線を引いているものが多かったので、自分達が思っているほど人間は複雑でブラックボックスではないという一つの解釈が書かれていたのが嬉しくて胸がすくような思いになった。

前述した利己的な遺伝子に書かれていた内容とも理解するものが多く、読むタイミングも噛み合っていたと思う。

 

アーキテクチャの生態系

 

mixi2ちゃんねるニコニコ動画ケータイ小説初音ミク…。なぜ日本には固有のサービスが生まれてくるのか。他の国にはない不思議なサービスの数々は、どのようにして日本独自の進化を遂げたのか。本書は、日本独自の「情報環境」を分析することで、日本のウェブ社会をすっきりと見渡していく。

あらすじより

 

様々なウェブサービスを社会分析の観点から考察した本。2008年出版の本で現代から考えると少し古い内容だったり的を外れた流行予想だったりするがめちゃくちゃ面白かった。

ウェブサービスアーキテクチャ(建築や場)、利用するユーザを生物として観測した際、アーキテクチャは生物に対してどのような影響を持つのかという形而上の生態系のような内容をメインに取り扱っている本。その中で書かれている、開発者の意図しない形でwebサービスは利用するユーザを水面下のうちに規定し、ユーザに無意識のうちに規範を守らせる、といった分析がSFの設定ぽくてなぜだか分からないがめちゃくちゃワクワクした。

 

これから読む本

利己的な遺伝子の影響でセレンゲティ・ルールを購入したので2月中に読みたい。

これも動物社会学を主題とした本のようなので楽しみ。

前述したがミーム論についてももう少し理解を深めたいのでいい入門書があれば是非教えていただきたい。

セレンゲティ・ルール――生命はいかに調節されるか

セレンゲティ・ルール――生命はいかに調節されるか

 

 あとは最近円盤皇女ワるきゅーレのアニメを視聴した際何故か脚本を書いていて思わず笑ってしまった月村了衛の小説である機龍警察を読んでいる。設定も気になっていたが強い女が女に向ける感情を描いた小説として読んでも面白いと噂なので楽しみ。 

機龍警察〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)
 

 あとは最近アニメばかり見ているのでもう少し構図や映像技術などから作り手の思考や感情が読み取れたら更に面白くなるのではと思い映像の原則も購入した。 

映像の原則 改訂版 (キネマ旬報ムック)

映像の原則 改訂版 (キネマ旬報ムック)

 

 

 あらためて述懐してみるといかに本を読んでなにも考えていないことが分かって軽く凹んでいるのでもう少し頭を使って本を読めるように特訓しようと思った。

可能な限りこのようなまとめは続けていきたい。

2017年リリースされた同人音声5選

今年も一応書いておこうと思う。

今年の初めにバイノーラル再生に適したヘッドホンとして有名なDENONのAH-D600を購入したおかげでバイノーラル音声を聴くのがめちゃくちゃ楽しくなってしまったので去年よりもバイノーラル作品に比重が寄ってしまった。

 

 1.弟っていうのはお姉ちゃんが大好きな生き物なんでしょ?

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サークル主の伊ヶ崎綾香さん自身も声優としても活躍され、昔販売していた効果音作品は第一線で活躍する同人音声サークルの方々がほぼ100%使用していることで有名なサークル「シロクマの嫁」さんの作品。

弟が大好きなお姉ちゃんが研究材料として弟のあんなところやこんなところを徹底的に責める――といった同人音声作品としては比較的ポピュラなテーマだが、この作品はとにかく録音環境が良く、性能の良いイヤホン、ヘッドホンで聴くととても臨場感がある。

中でも耳舐めのリアリティが凄く、3トラック目の「耳舐め研究」の中盤、耳の穴に舌を突っ込まれてぐりぐりと動かされるシーンでは身体が弓なりに跳ねるほど衝撃(快感)を受けた。

 また、おまけとして収録されている「綾香の耳舐め研究会」では、伊ヶ崎綾香さん本人による、バイノーラルマイク3種の耳舐めの雰囲気の違いを比較した音声まで収録されている。

今まで作品として聴いていたところに現実が侵食してくるのがメタ・フィクション的で少し面白かったが、単純に耳舐めのみのトラックとしてもかなりクオリティが高いのでコストパフォーマンスが良く素晴らしいと思ったので気になった方は是非購入してほしい。

  2.むっちりサキュバスお姉さんに、甘ぁく責められて、 我慢も続かず、Hなダメダメ坊やにされちゃう音声♪

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 サークル「Aggressive Measures」さんの作品。

タイトルの通りサキュバスにちんちんかもかもされる作品である。DLsiteで音声作品を買うような輩はすべからくサキュバスが好きだと思うのでこの記事を読んでいる人はもう大体購入済みなのではないだろうか。

この作品は全編女性上位なので、感じていないのに感じている振りをする通称「嘘喘ぎ」等が多分に含まれているのも良かった。(自分が好きなので。)

あと、オノマトペが秀逸で、こちらの情欲を煽るのが上手い言葉選びだったのも評価が高い。

とにかく実用性が高い作品で、ソフトなマゾヒストに胸を張ってオススメできる。

  3.援交JKツインズ!2組目! ~閉所密着濃厚エッチ~

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今年もカモネギちゃんねるさんは最高だった。

2015年に発売された「援交JKツインズ! ~閉所密着濃厚エッチ~」の続編となる作品で、タイトルの通りロッカーのような狭い空間でちんちんかもかもする――といった内容。

前作もかなりクオリティの高い作品だったが、それよりも格段に臨場感、リアリティが増しており、空間を感じられ、体温まで知覚できるのでは?と錯覚するほどだった。

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シナリオもより洗練されており、状況説明の台詞一つとってもかなり具体的で、それでいて耳で聴いて違和感を覚えないところが素晴らしい。視聴者を馬鹿にしているのが言葉の端々から分かる女の子を描写するのがとても上手いな、と感心した。

全トラックにフィニッシュのシーンがあり実用性も高いので気になった方は是非前作と併せて楽しんでほしい。

 4.ジト目を崩さない武器屋の娘に拝み倒して素股してもらう

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サークル「ペレス解部」さんの作品。

タイトルの通り、ジト目を崩さない武器屋の少女に敬語で罵倒されたりなんやかんやといった内容である。

設定やキャラクタの心情描写、台詞の言葉選びに定評のあるサークルだが、この作品も同様とても良かった。

上記した通り、キャラクタの心情描写力が尋常じゃない程に高く、根底に愛のある罵倒というのを音声のみで表現しているのが凄い作品だった。

主観的なレビューになってしまうが、淡々とこちらを罵倒してくる作品は幾つも世の中にあるが、自分はソフトなマゾヒストなので根底に愛が無いと途中で心が折れていたので、そういう意味でも合致した感じがあり、良かった。

女の子に叱られたり呆れられたい方に是非オススメしたい作品である。

  5.眠れない添い寝 お布団の中で悪戯される音声

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サークル「B-bishop」さんの作品。

優しくも意地悪な女の子にえっちな添い寝をしてもらう――といった内容。

全編バイノーラル録音で収録されており、とても臨場感が高い。

主観的な話になるが、自分は寝ながら音声作品を聴くきらいがあり、聴いている自分の状態と近く、没入しやすい作品であるのも好みだった。

今まで布団の中というシチュエーションの作品は多くあったが、全編通してそれ、というのは余りなく、そういう意味でも新鮮味があった。

2トラック目の「眠れない添い寝」はなんと60分超えとなっており、長い間じっくりと時間をかけて快感を高められるというシチュエーションである。女の子との距離感までも感じられるような編集や、耳をくすぐる息遣いまでも生々しく、1時間以上ずっと焦らされ鈍い快感に身悶えできるので、ソフトなマゾヒストの方にオススメである。

また主観的な話をするのであれば、乳首責めのシーンの比重がかなり多く、そういった意味でも良かった。

  最後に

今年はマゾヒスト向けの作品が例年よりも多かった気がする。(自分がそういう作品しか買わないので気のせいかもしれない。)

とにかく良いヘッドホンを買ってから音声作品を聴くのが楽しくて仕方なくなってしまったので、皆さんも普段使っているイヤホン、ヘッドホンではなく、バイノーラル再生に適したヘッドホンを購入して楽しんでみてはいかがだろうか。

 

 

 

2017年読んで良かった本

 

誰とも交流せず家に引きこもりひたすらアニメを見て本を読んでいたら2017年が終わりに近付いてしまった。

今年は色々な作品に心を動かされたのでそれを忘れないために備忘録として記事にまとめておこうと思う。

 

天冥の標 

 

天冥の標〈1〉―メニー・メニー・シープ〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)

天冥の標〈1〉―メニー・メニー・シープ〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)

 

 友人に薦められずっと気になっていたので2017年初めに全巻購入し4月頃まで黙々と読み進めた。

巻を読み進める毎にどんどん分かってくる気が狂うほどに丁寧に作られた世界観とキャラクタの造形、綿密な設定と張り巡らされた伏線で今年初頭は完全に頭がおかしくされてしまっていた。

現在同シリーズは13冊刊行されているが、その1冊1冊がほとんど違う作風で描かれているので読んでいて飽きる事が無かったので良かった。

1巻まるごとパンデミックSFを書いたかと思えば、続く巻では性愛をテーマにSF官能小説を書き、また別の巻では宇宙艦隊の戦いを描く。そんなサラダボウルのようなシリーズだが、描かれている全ての物語が重要な伏線もとい人類の歴史という馬鹿みたいにデカイ主題に繋がっているので、ページをめくる毎に世界を拡張していく感覚を味わえとても面白かった。

2018年に最終巻が刊行予定なので、今から楽しみである。

 

BEATLESS

 

BEATLESS

BEATLESS

 

 またまた日本のSFを語る上では外せない教科書のような作品だが、BEATLESSも今年読んだ。今年はSFに入門した年だったと実感している。最近シンギュラリティやらディープラーニングやらをテレビなんかで見かける機会も多いので丁度良いタイミングだったかもしれない。

語るまでも無い作品だと思うが、これはもうめちゃくちゃに面白かった。最高のライトノベルであり、最高のボーイ・ミーツ・ガールであり、最高のSF小説だが、この作品を読み一番心にデカイダメージを与えられたのがアナログハックという概念である。

”アナログハックとは、「人間のかたちをしたもの」に人間がさまざまな感情を持ってしまう性質を利用して、人間の意識に直接ハッキング(解析・改変)を仕掛けることです。 
 
人間は、人間の〝かたち〟をしたものに反応する本能を持っています。たとえば〝笑顔〟を描いた絵や映像を見ることで幸福な気持ちになることができます。あるいは、警官の絵を描いただけの看板を見て、警戒心を呼び起こされて車のスピードをゆるめたりします。 
 これは脳が持つ性質から、人間の意識が無意識にそう動くものです。 
 ですが、この性質は、我々の感情や意識が、〝人間のかたち〟をつくことで接触可能な、悪用のおそれがあるセキュリティホールを持っているのだとも言えます。”

www63.atwiki.jp

 

今まではドラえもん のび太の海底鬼岩城のバギーちゃんの最期に涙し、楽園追放のフロンティアセッターに心を打たれる程度には心を持ったロボットにこれといった違和感を抱いていなかったが、BEATLESSを読み終えた後に触れた作品に人工知能やヒトの形をしたモノが登場して感情や自我の話をしだすとファイティングポーズを取るようになってしまった。

余談だが、2017年放送されたアニメにフレームアームズ・ガールという作品があり、この作品は丁度自分がBEATLESSを読んでいる最中に放送されていた。

作品に登場する人口自我AS(アーティフィシャル・セルフ)を搭載したロボット、轟雷が様々な経験から感情を獲得していくという素晴らしい作品だったのだが、視聴中とにかくアナログハックがチラつき全く関係の無い文脈を獲得して毎話号泣してしまうというのがあり、未だに記憶に残っている。(アニメの話はまた別に記事を書こうと思うので割愛する。)

 

アリス・イン・カレイドスピア

 

アリス・イン・カレイドスピア 1 (星海社FICTIONS)

アリス・イン・カレイドスピア 1 (星海社FICTIONS)

 

 前述のBEATLESS以後に読み、とてつもなく食らってしまった作品。

同作者が小説家になろうにて連載している幻想再帰のアリュージョニストにはイマイチ食指が伸びていなかったが、この作品はこれがもう尋常じゃなく面白く、あっという間に読み切ってしまった。

闇鍋のように色々な要素がグチャグチャにないまぜになった寓話そのもののような作品が寓話賛歌を描く7章が本当に凄く、何度読んでもめちゃくちゃに泣いてしまう。

この作品を読んでようやく確信したが、自分は「ヒトでないものが人間性を獲得したり、何かを創り出したり、何かを生み出す作品フェチ」のようだ。

余談だが星海社のサイト上にて無料であとがき以外を公開しているので気になった方は是非3章まで騙されたと思って読んで欲しい。

sai-zen-sen.jp

 

 深紅の碑文

 

深紅の碑文(上) (ハヤカワ文庫JA)

深紅の碑文(上) (ハヤカワ文庫JA)

 

 

深紅の碑文(下) (ハヤカワ文庫JA)

深紅の碑文(下) (ハヤカワ文庫JA)

 

上田早夕里による《オーシャンクロニクル》シリーズの2作目の長編。華竜の宮の続編にあたる作品である。

内容は重く、読むのに体力のいる小説だが、これまたとんでもなく面白く夢中になって前シリーズと合わせてあっという間に読み切ってしまった。

地球規模の環境変動が近い未来に起こり、世界の終末に向かいつつ生きていく人類達を描いた壮大なSFで、目に見える形でゼロサム・ゲームとなってしまった資源を奪い合う集団や、その集団と交渉を行う主人公、滅びゆく人類の文明を外宇宙へと飛ばし人類が生きた証を地球外に残そうと宇宙開発に奮闘する集団という、三者三様の人間模様を社会をまるごと描くことで書ききったすごい作品だった。

「物語が知性体を成長させていく」や、神林長平の言壺にも通ずる所のある「言語の不完全さ」というとにかくデカイ主題を見事に書ききった作品なのでまだ読んでいない人には是非読んで欲しい。(ネタバレになってしまうので詳細を書けないのが歯痒い)

 

個人的には一つ、まだ回収されていない設定もといチェーホフの銃があるので、このシリーズはまだ続くのでは無いかと思っている。

 

テスタメントシュピーゲル3 下

 冲方丁最後のライトノベルと称されたシュピーゲルシリーズの完結巻。

彼女たちがスタートラインに立つまでの道のりを丁寧に疾走感溢れる文体で描かれている。

テスタメント序盤の少女たち全員に艱難辛苦が降りかかり、この伏線は回収されるのか……と疑りながら読んでいた1,2巻からがらりと転換し、最近の冲方作品では珍しく後味のいい爽やかな読後感に包まれる作品だった。

MPBでは陽炎・サビーネ・クルツリンガーが、MSSでは雛・イングリッド・アデナウアーが好きである。

 

筺底のエルピス

 どこだったかのブログで絶賛されているのを見て読み始めた。

とにかく設定が緻密に練られており、作者自らがその設定を利用しつつ伏線を張っていく手腕は見事な小説だ。

一言で形容してしまうと異能力バトルライトノベルなのだが、その能力には厳格な原則が存在していて、その原則を見事に活かし相手や読者が予想できない形で裏切るところなどを読んでいてHUNTER×HUNTERの念能力に近いものがあると感じた。

一区切りが付く4巻から5巻の流れが本当に素晴らしく、5巻の最後の一文では見事に感嘆させられたので未読の方には是非騙されたと思って4巻まで読破してもらいたい。

 

 

バビロン 3 ―終―

バビロン3 ―終― (講談社タイガ)

バビロン3 ―終― (講談社タイガ)

 

 脚本を担当したアニメ、正解するカドが様々な賛否両論を巻き起こした野崎まどのバビロンシリーズの最新刊。

サブタイトルに―終―と付いているので終わるのかと思いきや全然そうじゃなかった。

1冊丸々を使って善悪の概念を定義するという今後の展開にも作用してくるであろう重要な巻だったが最悪の女曲世愛が登場して全てが”終わった”。

余談だが、 バビロン3が刊行される前に野崎まどが描いた色紙がこれである。

 

 読了後にこの色紙を見て、是非最悪の気分になってほしい。

 

正解するマド

正解するマド (ハヤカワ文庫JA)
 

 前述したアニメ正解するカドの公式スピンオフ作品。

野崎まどが脚本を手がけたTVアニメ『正解するカド』のノベライズを依頼された作家は、何を書けばいいのか悩むあまり精神を病みつつあった。次第にアニメに登場するキャラクター・ヤハクィザシュニナの幻覚まで見え始め……傑作SFアニメから生まれたもう一つの「正解」とは――衝撃のスピンアウトノベライズ

という頭のおかしいあらすじから判る通り大分に頭のおかしいメタ・フィクションSFになっている。

個人的にこの小説は野崎まどのファンが野崎まどと野崎まどの生み出したキャラクタに宛てて書いたラブレターと思っていて、恋愛モノの文法が多分に練り込まれているのがとても良かった。

電子書籍では一生発売されないと思うので是非フィジカルで購入して後半のあるページで椅子から転げ落ちる体験をしてみてほしい。

 

イリヤの空、UFOの夏 

中学生の時からずっと読もう読もうと思っていたが勇気が出ずにいよいよこんな年齢になるまで距離を取っていた名作ライトノベル

とにかく素晴らしい本を読んだ。中学生の時に読んでいたら頭がおかしくなっていたと思うのでこの年齢になってから読めて本当によかったと思った。

秋山瑞人の小説を初めて読んだがとにかく情景描写と文章の構成力が上手く、12月に読んでいたのに夏の匂いを感じ取れる程に世界に没入できた。

ぽっと出のキャラクタ一人ひとりまでもがこの世界に生きているというのをひしひしと感じられる文章力が本当に巧みで素晴らしいので、この作品の主人公である浅羽は描写されている文量ももちろん多く、とても魅力的なキャラクタとして生み出されている。

全4巻の構成もとにかく巧みで、1.2巻と3.4巻で2冊に分けそれぞれ世界を反転させているのもすごい。1巻で逃避の場所として描かれているトイレが3巻で覚悟の場所として描かれている事に気付いた時思わず大声を出した。

 

所謂セカイ系でカテゴライズされることの多い作品だが、その定義が主人公が世界とヒロインを天秤にかけて選択するということならば、イリヤの空、UFOの夏は二人ともが主人公で、二人ともが天秤を持っているというのが素晴らしいと思う。

二人の主人公の選択を4巻かけて丁寧に描いた作品であり、どちらかと言えば個人的にこれは恋愛小説の文法であると思っている。

秋山瑞人の作品は他に読んだことがないので、来年には最高峰のラノベとして名高いE.G.コンバットを読みたい。

 

おんなのこぱーてぃ

www.animate-onlineshop.jp

頭がおかしくなったと思われるかもしれないが大真面目である。

最後に少し毛色が違うがへんりいだ先生の成人向けコミックを紹介したい。

主にこの本を評価しているのは内容ではなくて(もちろん内容も素晴らしかったが)

とにかく装丁が良く本としての完成度が高い。

成人男性が大真面目に脳内で生み出した最高に可愛い女児のイメージが細部まで表現されており、パステルカラーな色使いやフォントに至るまでくらくらするほどのこだわり様だ。

一番凄いと思ったのがあとがきで、是非購入して実物を確認してほしいのだが、ファンシーないかにも女児が使いそうな便箋風のペーパーが付いている。このこだわりには正直なところ少し引いた。

昨今電子書籍が隆盛の時代だが、こういう装丁にこだわりがある本はフィジカルでの所持に意味が出てくるので個人的にはどんどんやってほしい。

 

最後に

 

2017年は昔から気になっていた作品を読む機会が多く、その全てがめちゃくちゃに面白い作品だったので来年も気になっている作品は絶対に読むように心がけたい。

貪るようにアニメと読書を続けた1年だったので、機会があれば今年見たよかったアニメに関しても記事を書きたいと思う。