2017年読んで良かった本
誰とも交流せず家に引きこもりひたすらアニメを見て本を読んでいたら2017年が終わりに近付いてしまった。
今年は色々な作品に心を動かされたのでそれを忘れないために備忘録として記事にまとめておこうと思う。
天冥の標
天冥の標〈1〉―メニー・メニー・シープ〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)
- 作者: 小川一水
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/09/30
- メディア: 文庫
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友人に薦められずっと気になっていたので2017年初めに全巻購入し4月頃まで黙々と読み進めた。
巻を読み進める毎にどんどん分かってくる気が狂うほどに丁寧に作られた世界観とキャラクタの造形、綿密な設定と張り巡らされた伏線で今年初頭は完全に頭がおかしくされてしまっていた。
現在同シリーズは13冊刊行されているが、その1冊1冊がほとんど違う作風で描かれているので読んでいて飽きる事が無かったので良かった。
1巻まるごとパンデミックSFを書いたかと思えば、続く巻では性愛をテーマにSF官能小説を書き、また別の巻では宇宙艦隊の戦いを描く。そんなサラダボウルのようなシリーズだが、描かれている全ての物語が重要な伏線もとい人類の歴史という馬鹿みたいにデカイ主題に繋がっているので、ページをめくる毎に世界を拡張していく感覚を味わえとても面白かった。
2018年に最終巻が刊行予定なので、今から楽しみである。
BEATLESS
- 作者: 長谷敏司
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2012/10/11
- メディア: 単行本
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またまた日本のSFを語る上では外せない教科書のような作品だが、BEATLESSも今年読んだ。今年はSFに入門した年だったと実感している。最近シンギュラリティやらディープラーニングやらをテレビなんかで見かける機会も多いので丁度良いタイミングだったかもしれない。
語るまでも無い作品だと思うが、これはもうめちゃくちゃに面白かった。最高のライトノベルであり、最高のボーイ・ミーツ・ガールであり、最高のSF小説だが、この作品を読み一番心にデカイダメージを与えられたのがアナログハックという概念である。
”アナログハックとは、「人間のかたちをしたもの」に人間がさまざまな感情を持ってしまう性質を利用して、人間の意識に直接ハッキング(解析・改変)を仕掛けることです。人間は、人間の〝かたち〟をしたものに反応する本能を持っています。たとえば〝笑顔〟を描いた絵や映像を見ることで幸福な気持ちになることができます。あるいは、警官の絵を描いただけの看板を見て、警戒心を呼び起こされて車のスピードをゆるめたりします。
これは脳が持つ性質から、人間の意識が無意識にそう動くものです。
ですが、この性質は、我々の感情や意識が、〝人間のかたち〟をつくことで接触可能な、悪用のおそれがあるセキュリティホールを持っているのだとも言えます。”
今まではドラえもん のび太の海底鬼岩城のバギーちゃんの最期に涙し、楽園追放のフロンティアセッターに心を打たれる程度には心を持ったロボットにこれといった違和感を抱いていなかったが、BEATLESSを読み終えた後に触れた作品に人工知能やヒトの形をしたモノが登場して感情や自我の話をしだすとファイティングポーズを取るようになってしまった。
余談だが、2017年放送されたアニメにフレームアームズ・ガールという作品があり、この作品は丁度自分がBEATLESSを読んでいる最中に放送されていた。
作品に登場する人口自我AS(アーティフィシャル・セルフ)を搭載したロボット、轟雷が様々な経験から感情を獲得していくという素晴らしい作品だったのだが、視聴中とにかくアナログハックがチラつき全く関係の無い文脈を獲得して毎話号泣してしまうというのがあり、未だに記憶に残っている。(アニメの話はまた別に記事を書こうと思うので割愛する。)
アリス・イン・カレイドスピア
アリス・イン・カレイドスピア 1 (星海社FICTIONS)
- 作者: 最近,あずき
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/07/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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前述のBEATLESS以後に読み、とてつもなく食らってしまった作品。
同作者が小説家になろうにて連載している幻想再帰のアリュージョニストにはイマイチ食指が伸びていなかったが、この作品はこれがもう尋常じゃなく面白く、あっという間に読み切ってしまった。
闇鍋のように色々な要素がグチャグチャにないまぜになった寓話そのもののような作品が寓話賛歌を描く7章が本当に凄く、何度読んでもめちゃくちゃに泣いてしまう。
この作品を読んでようやく確信したが、自分は「ヒトでないものが人間性を獲得したり、何かを創り出したり、何かを生み出す作品フェチ」のようだ。
余談だが星海社のサイト上にて無料であとがき以外を公開しているので気になった方は是非3章まで騙されたと思って読んで欲しい。
深紅の碑文
上田早夕里による《オーシャンクロニクル》シリーズの2作目の長編。華竜の宮の続編にあたる作品である。
内容は重く、読むのに体力のいる小説だが、これまたとんでもなく面白く夢中になって前シリーズと合わせてあっという間に読み切ってしまった。
地球規模の環境変動が近い未来に起こり、世界の終末に向かいつつ生きていく人類達を描いた壮大なSFで、目に見える形でゼロサム・ゲームとなってしまった資源を奪い合う集団や、その集団と交渉を行う主人公、滅びゆく人類の文明を外宇宙へと飛ばし人類が生きた証を地球外に残そうと宇宙開発に奮闘する集団という、三者三様の人間模様を社会をまるごと描くことで書ききったすごい作品だった。
「物語が知性体を成長させていく」や、神林長平の言壺にも通ずる所のある「言語の不完全さ」というとにかくデカイ主題を見事に書ききった作品なのでまだ読んでいない人には是非読んで欲しい。(ネタバレになってしまうので詳細を書けないのが歯痒い)
個人的には一つ、まだ回収されていない設定もといチェーホフの銃があるので、このシリーズはまだ続くのでは無いかと思っている。
テスタメントシュピーゲル3 下
冲方丁最後のライトノベルと称されたシュピーゲルシリーズの完結巻。
彼女たちがスタートラインに立つまでの道のりを丁寧に疾走感溢れる文体で描かれている。
テスタメント序盤の少女たち全員に艱難辛苦が降りかかり、この伏線は回収されるのか……と疑りながら読んでいた1,2巻からがらりと転換し、最近の冲方作品では珍しく後味のいい爽やかな読後感に包まれる作品だった。
MPBでは陽炎・サビーネ・クルツリンガーが、MSSでは雛・イングリッド・アデナウアーが好きである。
筺底のエルピス
どこだったかのブログで絶賛されているのを見て読み始めた。
とにかく設定が緻密に練られており、作者自らがその設定を利用しつつ伏線を張っていく手腕は見事な小説だ。
一言で形容してしまうと異能力バトルライトノベルなのだが、その能力には厳格な原則が存在していて、その原則を見事に活かし相手や読者が予想できない形で裏切るところなどを読んでいてHUNTER×HUNTERの念能力に近いものがあると感じた。
一区切りが付く4巻から5巻の流れが本当に素晴らしく、5巻の最後の一文では見事に感嘆させられたので未読の方には是非騙されたと思って4巻まで読破してもらいたい。
バビロン 3 ―終―
脚本を担当したアニメ、正解するカドが様々な賛否両論を巻き起こした野崎まどのバビロンシリーズの最新刊。
サブタイトルに―終―と付いているので終わるのかと思いきや全然そうじゃなかった。
1冊丸々を使って善悪の概念を定義するという今後の展開にも作用してくるであろう重要な巻だったが最悪の女曲世愛が登場して全てが”終わった”。
余談だが、 バビロン3が刊行される前に野崎まどが描いた色紙がこれである。
今、講談社で、野﨑まどが作ったサイン色紙(絵も本人)が、これです。 pic.twitter.com/EViISPpWEY
— 綾崎隼@君を描けば嘘になる1/25 (@Syun_Ayasaki) 2016年10月20日
読了後にこの色紙を見て、是非最悪の気分になってほしい。
正解するマド
前述したアニメ正解するカドの公式スピンオフ作品。
野崎まどが脚本を手がけたTVアニメ『正解するカド』のノベライズを依頼された作家は、何を書けばいいのか悩むあまり精神を病みつつあった。次第にアニメに登場するキャラクター・ヤハクィザシュニナの幻覚まで見え始め……傑作SFアニメから生まれたもう一つの「正解」とは――衝撃のスピンアウトノベライズ
という頭のおかしいあらすじから判る通り大分に頭のおかしいメタ・フィクションSFになっている。
個人的にこの小説は野崎まどのファンが野崎まどと野崎まどの生み出したキャラクタに宛てて書いたラブレターと思っていて、恋愛モノの文法が多分に練り込まれているのがとても良かった。
電子書籍では一生発売されないと思うので是非フィジカルで購入して後半のあるページで椅子から転げ落ちる体験をしてみてほしい。
イリヤの空、UFOの夏
中学生の時からずっと読もう読もうと思っていたが勇気が出ずにいよいよこんな年齢になるまで距離を取っていた名作ライトノベル。
とにかく素晴らしい本を読んだ。中学生の時に読んでいたら頭がおかしくなっていたと思うのでこの年齢になってから読めて本当によかったと思った。
秋山瑞人の小説を初めて読んだがとにかく情景描写と文章の構成力が上手く、12月に読んでいたのに夏の匂いを感じ取れる程に世界に没入できた。
ぽっと出のキャラクタ一人ひとりまでもがこの世界に生きているというのをひしひしと感じられる文章力が本当に巧みで素晴らしいので、この作品の主人公である浅羽は描写されている文量ももちろん多く、とても魅力的なキャラクタとして生み出されている。
全4巻の構成もとにかく巧みで、1.2巻と3.4巻で2冊に分けそれぞれ世界を反転させているのもすごい。1巻で逃避の場所として描かれているトイレが3巻で覚悟の場所として描かれている事に気付いた時思わず大声を出した。
所謂セカイ系でカテゴライズされることの多い作品だが、その定義が主人公が世界とヒロインを天秤にかけて選択するということならば、イリヤの空、UFOの夏は二人ともが主人公で、二人ともが天秤を持っているというのが素晴らしいと思う。
二人の主人公の選択を4巻かけて丁寧に描いた作品であり、どちらかと言えば個人的にこれは恋愛小説の文法であると思っている。
秋山瑞人の作品は他に読んだことがないので、来年には最高峰のラノベとして名高いE.G.コンバットを読みたい。
おんなのこぱーてぃ
頭がおかしくなったと思われるかもしれないが大真面目である。
最後に少し毛色が違うがへんりいだ先生の成人向けコミックを紹介したい。
主にこの本を評価しているのは内容ではなくて(もちろん内容も素晴らしかったが)
とにかく装丁が良く本としての完成度が高い。
成人男性が大真面目に脳内で生み出した最高に可愛い女児のイメージが細部まで表現されており、パステルカラーな色使いやフォントに至るまでくらくらするほどのこだわり様だ。
一番凄いと思ったのがあとがきで、是非購入して実物を確認してほしいのだが、ファンシーないかにも女児が使いそうな便箋風のペーパーが付いている。このこだわりには正直なところ少し引いた。
昨今電子書籍が隆盛の時代だが、こういう装丁にこだわりがある本はフィジカルでの所持に意味が出てくるので個人的にはどんどんやってほしい。
最後に
2017年は昔から気になっていた作品を読む機会が多く、その全てがめちゃくちゃに面白い作品だったので来年も気になっている作品は絶対に読むように心がけたい。
貪るようにアニメと読書を続けた1年だったので、機会があれば今年見たよかったアニメに関しても記事を書きたいと思う。
【好きなもの】おへんろ。~八十八歩記~
はじめに
今まで色々なアニメを見てきたが、一番心に残っているアニメは?と聞かれれば私は間違いなく”おへんろ。~八十八歩記~”と答えるだろう。
おへんろ。とは
おへんろ。~八十八歩記~(以下おへんろ。)とは、タイトルから大体察しがつくと思うが、四国八十八ヶ所巡礼、お遍路巡りをテーマにしているアニメだ。まお、ちわ、めぐみの三人の少女たちがひと夏の思い出づくりに挑戦したお遍路巡りを通じ、1200年の歴史の息吹を感じたり、地域に暮らす人達との交流や様々な貴重な経験を得て成長していくロードムービーのような作りになっている。
おへんろ。は1話30分、全44話構成の作品である。ジョジョ3部のアニメで言うと刑務所にいた承太郎がDIOの館でヌケサクをぶん殴るくらいの長さだ。
それだけの尺を使い、おへんろ。は八十八ヶ所の札所の歴史や名所の解説をしたり、その道中にお遍路さんが立ち寄る休憩所、食事処、宿までも丁寧に紹介していく。
下手をすると自宅の近所よりも四国の方が詳しくなってしまいそうな程に丁寧で、テレ東なんかの旅番組と比較しても遜色がないレベルだ。
この作品を語る上で外せないのが、アニメと情報番組のハイブリッドととも言える画面構成だ。
語るよりも先に、まずは第1話「発心。思い立ったが吉日!」のキャプチャを見ていただこう。
突然貼られた出来の悪いコラージュのようなキャプチャに驚愕している人もいるかもしれない。だがこれが正常だ。おへんろ。は全編通し、実写映像にアニメのキャラクタを組み合わせるという非常に斬新な手法を用いている。
冒頭でおへんろ。をアニメ作品と表現したがそれは便宜上のものであって、実際のところ実写とアニメのハイブリッドという斬新すぎる構成のせいか、番組表等の媒体によっては情報番組、旅番組として分類されているらしい。
このように特殊な作風だが、地域振興を目的としたアニメとしては実に理にかなった演出だと思う。
昨今、一般的なアニメ作品でも現実の町並みをロケハンし、それを元に背景を描く作品は多い。熱心なファンが作品の元ネタになっている場所に訪れる、いわゆる聖地巡礼といわれるムーブメントを作り出している作品も多くある。
だが、アニメのキャラクタの造詣に合わせてデフォルメされた背景は実際にその土地を訪れた際、脳内に思い描いていたイメージと乖離している事が多く、現実の風景とのギャップを生むことがままある。
その点、おへんろ。は心配がない。現実の四国の美しい町並みや自然豊かな山道等がそのまま背景になっているのでイメージと乖離することは無いだろう。
ちなみに背景だけでなく、出演している人達ももちろん全員実写だ。
お寺の住職も、休憩所の管理をするおばあちゃんも、食事処の店員も、宿の女将も、全員実写だ。
その点も現実とギャップを生むことがないし、インタビューを受けている四国の人々の人柄も透けて見えてくるのでじんわりと心が暖かくなってくる。
彼女たちが実在する人物と対話するさまはなかなかにユニークな光景なので是非実際に本編で確認してほしい。
オススメの回
さて、おへんろ。に興味を持ってもらうために端的に作品の魅力を列挙したが、一つだけ問題がある。おへんろ。の魅力であり最大の欠点でもあるが、全話視聴すると膨大な時間がかかるという点だ。
30×44話=22時間。現代人はそこまで暇ではない。
もし、おへんろ。を本腰を入れて見てみようと決意した奇特な人がいればその人は是非1話から順に見てほしいが、そこまでの情熱を持てない人が99%だろう。
そこで、私が個人的に見てほしい回を5つ挙げるので、22時間人生を消費するのに抵抗がある人はどれか1話だけでもいいので気が向いたら視聴していただければと思う。おへんろ。のために30分だけ人生を消費してほしい。
第1話「発心。思い立ったが吉日!」
全てはここから始まった。第1話だけあって全員の演技がぎこちなかったり、めぐみの衣装が白衣ではなくTシャツだったりと、全話見終えてから改めて見るといろいろな発見がある。
第18話「まお! 太平洋に志を刻む!」
まおが歴女であるという設定と、彼女がアイドルに憧れているという設定が初めて披露される回。
札所めぐり以外にも港の風景や渡し船、一般には非公開されているご本尊など、全編通してあまり見ることの出来ない風景が見れる回でもあり、評価が高い。
第23話「発心!修行!そーっす。総集編っす。」
折り返し地点にさしかかった今までのお遍路巡りの旅を振り返るいわゆる総集編のような回。
これを見れば徳島、高知編全22話をキャンセルできるのでどうしても時間がない人はこの回を見てほしい。ちなみにこれ以降続く愛媛、香川編の総集編は無いので気をつけてほしい。
第27話「まお!地獄の沙汰もめぐみしだい」
一度に3つの札所を巡る疾走感に溢れた回。
もちろん札所だけでなく近隣の食事処とケーキショップの紹介までも行っていて、場面の転換が早く見ていて飽きない。
47番八坂寺にある地獄の途を通ったまおがかわいいので必見。
予算が増えたのか、大体この辺りの回からアバンでドローンでの空撮シーンが挟まれることが多い。
第41話「まお、牛鬼に泣く」
農村体験が楽しめるカフェや、うどん作りの学校を訪れる回。
牛鬼に怯えるまおがかわいい。
終盤の箸休め的な回だが、札所は一気に3つも巡っていて密度が高い。
最後に
この記事を読んでおへんろ。という作品に少しでも興味を持ってもらえれば幸いである。ちなみにおへんろ。は現在ハワイやタイで放送されており、日本だと高知さんさんテレビで再放送されている他、dアニメストア、ニコニコ動画等で視聴できる。
ニコニコ動画なら第一話を無料で視聴できるので、是非視聴してほしい。
ちなみに余談であるが、もしこの記事を読んでおへんろ。を見てみよう、と決意した人がいたなら”おへんろ。は1日1話、寝る前に見るくらいがちょうどいい。”ということだけは伝えておきたい。一度に視聴してしまうと彼女たちの旅が終わった時、凄まじい喪失感に苛まれることになる。(私はそうなった)
更に余談だが、岡山のテレビにTEAM OHENRO。の三人が出演した際の動画がyoutubeにアップされているのだが、自らが演じたキャラに対して思いの丈を語る三人を見ているととても心が暖かくなるのでこの動画も是非見ていただきたい。
2016年リリースされた同人音声5選
ランキングではなく良かった作品5選です。
自分は耳かき音声や催眠音声は聴かないので同人音声の中でもいわゆる淫語音声のみとなってしまいました。
1.もんむすりらー ~ネクロマンサーのモルモット~
サークル「性感ライフハック」さんの4年越しの新作。
霜月優さんが演じるネクロマンサーの色仕掛けに負け籠絡され実験体にされてしまう作品です。
ネクロマンサーの魅力的な女体や言葉、性技に思考を蕩けさせられ、抗おうと思えばいくらでも抵抗できるのに欲望に勝てずずるずると負けてしまう、という作りになっているため主人公に感情移入がしやすく、気持ちよく背徳感に打ち震えられる素晴らしい作品です。
詳しくはネタバレになってしまうので避けますが、初めて聴いた際、劇中でのネクロマンサーの態度の急変具合にめちゃくちゃドキドキしてしまい案の定負けてしまいました。
追記:ちなみに2017年2月6日までDLsiteのセールで半額で購入できますのでこの機会に是非。
2.幼児退行の魔女とでちゅまちゅエッチ
サークル「カモネギちゃんねる」さんの音声作品。
分倍河原シホさんが演じる魔女に赤ちゃんにされてしまう作品です。
一般的な赤ちゃん言葉を主題にした作品と違い、この作品には射精する度に幼児退行してしまう、という設定があるのですが、この設定があるおかげで話が進むにつれ徐々に魔女に思考も心も蕩けさせられていく主人公に感情移入がしやすく、気持ちよく赤ちゃんになることができるようになっています。
余談ですが、自分は劇中の
「・・・ん〜? だめにゃの? 出来ない? どうしてだめなんでちゅか? 何がだめにゃの? ・・・わかんにゃい? むー? わかんにゃいけどダメなんでちゅか? ふーん・・・♪ くすくす♪」
というセリフの、普通の赤ちゃん言葉ではあまりない”な行”を”にゃ行”にしているところでなぜかめちゃくちゃドキドキしてしまいました。
3.赤ちゃん言葉囁きバイノーラル ~メイド編~
サークル「かわいいおっさん症候群」さんの音声作品処女作。
沢野ぽぷらさんが演じるメイドに赤ちゃん言葉であやされたり意地悪されたり馬鹿にされたりする作品です。
先程紹介した「幼児退行の魔女とでちゅまちゅエッチ」とは違い、変化球の赤ちゃん言葉作品です。
タイトルからして赤ちゃん言葉で甘やかされる作品なのかな?と思いきやそうではなく、どちらかと言うと赤ちゃん言葉を用いた調教のような作りになっています。
赤ちゃん言葉であやしてくる作品は必然的に猫撫で声になり必要以上に声を高くなりがちな印象があるのですが、この作品は前述の通り調教がメインなせいか、それとも沢野ぽぷらさんの声質のおかげか、少し低めの赤ちゃん言葉になっているところが他の作品と違うと感じました。
また、タイトルに”囁き”と書かれている通りバイノーラル録音の作品ですが、プレイ中ずっと囁かれている訳ではなく、ここぞというカマシのシーンに使われており、気持ちを昂ぶらせるのに一役買っています。
赤ちゃん言葉で脳みそが蕩けるまで甘やかされたい、という人には向かないかもしれませんが、優しく責められてみたい、という人にはオススメできる作品です。
追記:ちなみに2017年2月6日までDLsiteのセールで半額で購入できますのでこの機会に是非。
4.悪の女科学者が僕に妖しく囁いてくる
サークル「タロイモ本舗」さんの音声作品。
井上果林さんが演じる悪の女科学者に少しずつ堕とされる作品です。
タイトルに”悪の女科学者”と付いている通り、敵に薬を投与され調教されるというなんとも恐ろしい話なのですが、痛めつけられたり無理やり屈服させられたりするのではなく、薬と彼女から与えられる快楽で少しずつ悪に堕ちていくという比較的緩い作りとなっています。
この作品のプレイ内容は全編通して手淫のみとなっており、少し単調に感じてしまうのですが、それを補ってとにかく言葉責めが巧みで聴いていて飽きず、なおかつ井上果林さんの低めの声質に悪の女科学者というキャラクタが非常にマッチしており、年上の女性に支配され、堕とされてしまうんだ……という気持ちになれオススメです。
タイトルにもある囁きと低めの声質の相性が素晴らしく、それだけでも一聴の価値ありです。(ただバイノーラル録音ではないので囁きは左右にパンが振られているだけですが)
低めのトーンの落ち着いた女性に屈服したい、といった方には文句なしにオススメできる作品となっています。
5.なめぬるり
サークル「音撫屋」さんのバイノーラル音声作品。
2016年の同人音声を語る上では外せない作品ではないでしょうか。
総収録時間3時間42分24秒という超大作となっており、その内90分くらい耳をべろべろ舐め回され、60分くらい耳元で好きと囁かれます。
環境音の情景描写力やリアリティ、声の距離感や空気感等々、他のバイノーラル音声作品から頭一つ抜きん出ているな、と一聴した際思いました。ハーレムモノの作品ですが各々のキャラ立ちもしっかりしており、ソロパートの実用性も高く恐ろしいまでのハイクオリティな作品です。
正直なところこの作品は紹介するのも無粋なレベルですので、気になった方はとりあえず体験版を一聴していただければと思います。百聞は一見にしかずです。
終わりに
今年購入した作品の一覧を見ていると普通の作品でも”赤ちゃん言葉”だったり”幼児退行”のパートがある作品が多く、2016年は赤ちゃんの年なのかな、と思いました。(多分自分が購入している作品が偏っているだけだと思います。)
今年良かった作品を5作選ぶ上で、1つのサークルさんからは1作品のみ選ぶように考えたのですが、本当はもっと紹介したい作品がありました。
例えば、「カモネギちゃんねる」さんのこちらの作品や、
年末にリリースされた「かわいいおっさん症候群」さんのこちらの作品もとても素晴らしかったのでいつかの機会に紹介できたらいいな、と思います。
2017年も淫語音声、買いまくるぞッ!!!!!!!!!!