最近読んだ本 2018/02/01-2018/02/28
今/月も書いておこう。
機龍警察
少女革命ウテナや円盤皇女ワるきゅーレ等、アニメ作品の脚本や構成を行っていた月村了衛のハード・ボイルドSF小説。
前々からインターネットやSNS等で所謂「女が女に向ける女の感情」小説であるとの評判を聞いていたのでワクワクしながら読んだ。
これがまぁ狂うぐらい面白かった。開始3ページ程でミンチになる警察官から始まり、そこからノンストップで伏線をばら撒きながら物語が転がっていき最後に全てが帰結するまでとにかく無駄がないソリッドな小説で本当に楽しんで読めた。
兵器が小型化され市街でのテロや事件が多発するという常在戦場の土壌を作ったことにより近未来の日本でパワードスーツが活躍するという一見荒唐無稽な設定と警察組織内部の描写をとても上手くまとめていたのもすごい。
キャラもとにかく良くて、特に緑とライザというキャラがお気に入りである。*1
セレンゲティ・ルール――生命はいかに調節されるか
1月に読んだ利己的な遺伝子の影響で購入し読んだ。
タイトルやあらすじから生態系のホメオスタシスについて詳しく書かれている本かと思いワクワクしながら読んだが、実際のところ詳細に書かれていたのはもう少しミクロな、「生態系を維持するために各生物たちの体内にはなにが起きているのか」という視点が多い本だった。
それなりに専門的な内容や単語が多く、何箇所か目が滑ってしまったが中々に興味深い内容や研究者達の面白い半生のようなものが多く載っていて比較的楽しみながら読めた。
特に興味深かったのは第6章に書かれていた、貝などを捕食者するヒトデを取り除いた時、ヒトデ以下の生態系にどのような影響が及ぼされるかというところで、その取り除き方が一定の区画にいるヒトデを沖へと投げ飛ばして行なうというものであまりにも原始的で笑ってしまった。
機龍警察 自爆条項
前述した機龍警察の続編。これも狂うほど面白かった。
もはやなにも言うまいがとにかく面白かった。
”三体の龍機兵の中でもバンシーは抜きん出て美しかった。搭乗するライザその人のように。”
機龍警察 自爆条項(上)p.274
女が女に向ける女の感情……
映像の原則
アニメを見てもう少し構図や映像技術などから作り手の思考や感情が読み取れたら更に面白くなるのではと思い読んだ。
映像を見ていて覚える言葉にできない感覚みたいなものが言語化されていてハウツー本としても面白かったし単純に読み物としても良く出来ていて良かった。
読んでいて一番興味深かったのは視覚印象について説明をしている章のアングルや画面の動きで心情や観客の感情をどうこうできるという点で、例を挙げるなら人間の心臓は左にあるので、 右から来るものに対しては自然に感じ、左から来るものには印象が強くなってしまうというのがとても興味深くて良かった。
これから読む本
機龍警察の続編を購入したのでとにかく早く読みたい。
あと、SFマガジンで紹介されていたザ・ビデオ・ゲーム・ウィズ・ノーネームも購入し空き時間にちょくちょくと読んでいる。
あと、最近メタ・フィクション、パラ・フィクションで頭がおかしくなることが多かったのであなたは今、この文章を読んでいる。:パラフィクションの誕生も購入したので楽しみである。
今月は色々とありあまり本が読めなかったので来月はモリモリと読みたい。
*1:先述した女の感情コンビ。通称みどライザというカップリングで呼ばれている。